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川越で池田幹雄さんと滝沢具幸さんの2人展 先鋭的な作風で日本画イメージ刷新

池田幹雄「北の回想」1985年 川越市立美術館蔵

池田幹雄「北の回想」1985年 川越市立美術館蔵

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 川越市立美術館(埼玉県川越市郭町2)で10月22日から、特別展「池田幹雄×滝沢具幸―『日本画』のその先へ―」が開かれる。主催は同館。

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 川越からほど近い新座市在住の池田幹雄さんと、武蔵野市在住の滝沢具幸さんの2人の画家を紹介する特別展。両者の画業を代表作でたどり、変貌を続ける戦後の日本画の一側面に光を当てる。

 同館学芸員の折井さんは「『日本画』と聞くと花鳥風月を描いたものを想像しがちだが、2人の作品は伝統的なイメージを打破し『現代の絵画』を志して制作されている。両者とも、自己と向かい合い、創造された造形を描いているところに特徴があり、岩絵具特有の美しい色彩が最大限に生かされている。個性的な造形表現と、鮮やかな色彩美を楽しんでもらえれば」と話す。

 「『北の回想』は、船が空に浮くなど不思議な作品だが、描かれた倉庫や白馬などのモチーフは、池田さんの郷里である北海道函館市を想起するもの。少年期を過ごした函館は、今の彼を支えている重要な記憶であり、そうした郷愁を絵画化しようと試みている。滝沢さんも、高校までを過ごした長野県飯田市の自然が自らを形成している。ただし、彼のテーマである『自然』を写実的に描くのではなく、そこから抽出された造形で絵画を構築しているため、とても抽象的に見える。絵に寄って見ると、幾重にも色が重ねられていたり、拭き取られたりひっかいたりしていて面白い」とも。

 関連イベントとして、11月3日には滝沢さんによる作品解説などを予定。

 開館時間は9時~17時。月曜休館日(11月14日は開館)。観覧料は一般=500円、大学生・高校生=250円、中学生以下無料。12月4日まで。

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