慶応元年から続く川越の和菓子店「紋蔵庵」(川越市古谷上)が現在、2月28日の「草餅の日」にちなみ、「昔ながらの言い伝えの味」の草餅を期間限定で販売している。
古くから川越の農村地帯では、2月28日に薬草であるヨモギを使った草餅を食べると「生活習慣病や脳卒中の後遺症を防いで健康に過ごせる」という言い伝えがある。同店もこの時期、草餅を求める来店客でにぎわい、5万個を売り上げるという。
同店の草餅には、北海道産小豆を使った粒あんでほんのり甘いものと、あん無しの草餅にきな粉を付けたちぎり草餅があり、甘い物が苦手な人でも食べられるよう工夫した。ヨモギは山形県産の新芽の手摘みを使い、「香り豊か」だという。あんこ入りの丸い草餅は3月中旬まで、きなこのちぎり草餅は5月中旬まで販売する。
小泉昌弘社長は草餅の販売を始めた理由について、「ヨモギは昔から『何にでもよく効く』といわれ、薬草として使われてきた。栄養素が豊富で多くの薬効があることから『ハーブの女王』とも呼ばれている。春の訪れを感じるヨモギのパワーとおいしさをお届けしたい」と話す。
本店の営業時間は8時30分~17時30分(月曜は17時まで)。