伊佐沼直売所(川越市鴨田)が3月10日から、酒米「さけ武蔵」を使った「小江戸川越麹甘酒」(380円)を販売している。
同商品は、酒かすを使わず米と麹(こうじ)だけで造ることにより「自然な甘さを引き出した」ノンアルコールの甘酒で、原材料は全て川越産のものを使っている。
原材料に使う酒米「さけ武蔵」は、全国新酒鑑評会で金賞を獲得した小江戸鏡山酒造の大吟醸「斗瓶取(とびんど)り雫酒 鏡山」に使われているもの。境山の酒造りでは、さけ武蔵生産組合・組合長で同直売所社長の山田英夫さんをはじめとする農家と蔵元が一緒になって酒造りに挑戦した。
同直売所は昨年15周年を迎えた。節目を迎えることもあり、かねて造りたいと考えていた甘酒の開発に乗り出したという。そこに新型コロナ感染症の流行が偶然重なり、日本酒の売り上げが減少。酒米が余る事態となり、同商品の販売は生産者の所得を守るプロジェクトにもなった。
山田さんは「今がようやくスタートライン」と話す。商品販売開始直後から常に「よりおいしくなるよう」粒の大きさ、甘さ、濃さなどを、客の声を聞きながら改良を続けている。季節ごとのフレーバーなど、さらなる新商品の開発にも意欲を見せる。
「生産者を守りたい思いと、川越をもっと知ってもらいたいと言う思い。そのためには、オール川越産の商品でなくてはいけない」とこだわりを語る山田さん。
今後は同施設以外での販売も増えていく予定で、地元の住民と観光客両方に商品が届けられるよう販売ルートも工夫していく。
営業時間は9時~17時。