「U_PLACE(ユープレイス)」(川越市脇田本町)で3月27日、今年初の日曜市「川越ファーマーズマーケット&お花のマーケット」が開かれ、地元産の採れたて野菜や季節の花々を求める大勢の人でにぎわった。
まん延防止等重点措置の延長により1月・2月の開催が中止となった日曜市を今年初めて開催。主催する「川越Farmer’s Market」イベント担当の石川さんは「定期的な開催が地域に定着しているイベントなので楽しみにしている方が多く、これまで開催できず残念だった。農家などの出店者も、消費者と直接交流できる場として楽しみにしているので、3月にまた再開できてほっとしている」と話す。
イベント参加の常連で、毎回工夫を凝らして出店する下赤坂地区の農業団体、赤一商店は「規格外ニンジン詰め放題」や、ちょうど500グラムにすると無料になる「規格外サトイモ詰めて量ってピタリ賞」を実施。地産地消と農作物の廃棄削減に貢献しながら、来場者との直接交流や販売を生産者自ら楽しんだ。
制服姿と「彩の国地鶏タマシャモ」のパーカ姿でブースに立ったのは、南真緒さんと鈴木悠来(ゆうら)さん。今年で創立100周年を迎えた農業系総合高校、埼玉県立川越総合高校の新3年生だ。来場者一人一人に商品を説明しながら、学校で飼育したタマシャモを使ったカレー、生徒たちが育てたコシヒカリ、イチゴジャムの販売に奮闘。ジャムは卒業生が営む農家から規格外のイチゴを安く仕入れ、学校で生徒が加工した。それぞれの商品に貼られた手作り感あふれる素朴なラベルは「先輩が描いたイラストをシールに印刷し、自分たちで袋詰めして貼った」と南さんは言う。高校生にして、生産・加工から消費者への直接販売までを体験した2人は、商品を薦めながら作り手としての自信をのぞかせる。「今のところ売れ行きはとても好調。完売を目指して頑張る」と笑顔を見せる。
石川さんは「今回は初出店者も多かった。川越総合高校は農業に力を入れた学校で、うまく連携できたらと思っていた。生徒たちが元気よく接客し、来場者と会話しながら販売することが良い経験になったのでは。来場者からの反応もとても良かった」と言う。他にも「一番街の『小江戸はっぴ・はぴる』が初出店で、シフォンケーキが好評で完売した。『こんなに売れるとは』と本人も驚いていた」とも。
「今回久しぶりに開いて、これまで来ていたリピーターが地元野菜などを買いに戻ってきてくれたのがうれしかった。単に買うだけではなく、農家との触れ合いも含め楽しみにしているという地元民からの要望が増えている。『これからもぜひ続けて』という声が多数あり、今後も継続して実施したい。身近な野菜販売が核としてありながら他の楽しみもある、大規模ではないけれど地域の定期市として今後も大切にしていきたい。次は4月23日に『川越お菓子とお花のマーケット』をウニクス南古谷で開く。その翌週にはユープレイスで土曜市を開く。川越の中心市街地、郊外、それぞれの場所から発信していく」と意欲を見せる。