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TENGAが初の障がい者就労支援プロジェクト「able! project」 川越を拠点に

(左から)TENGAの松本光一社長、able! FACTORY施設長の木村利信さん

(左から)TENGAの松本光一社長、able! FACTORY施設長の木村利信さん

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 TENGA(東京都港区)は4月下旬、障がいのある人がものづくりの技術を学びながら働き工賃を得ることができる就労継続支援B型事業所「able! FACTORY」(川越市かし野台)を開設する。

TENGAが初の障がい者就労支援プロジェクト「able! project」 川越を拠点に

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 障がいのある人の就労と自立を支援するプロジェクト「able! project」の一環で開く同施設。就労継続支援B型事業所とは、障がいのある人に就労機会を提供すると共に、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの福祉サービスを供与する施設。

 社長の松本光一さんは「自分が頑張って覚えた技術でものを作ることのうれしさ、できたときの喜びは他では得られないもの。その喜びを感じてほしい。そしてそこから収入を得ることで、『できる!』の喜びを感じてほしい」と同プロジェクトに願いを込める。

 プロジェクト発足の経緯については、「創業以来大切にしている 『性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく』というビジョンの下、TENGAはこれまでさまざまな性の悩みに共に向き合ってきた。障がい者支援を行う事業者の方や団体とともに活動する中で、障がいのある方たちは、働く喜びと満足な収入を得ることがとても難しいという環境について知るようになり、障がいがある・なしにかかわらず、誰もが『働く喜び』を感じられる世の中にしていきたい。自分たちにできる方法で、より良い変化を起こしたいと考えた」と話す。

 同施設での具体的な作業として、アパレルのシルクスクリーンプリント、PCのリペア、併設カフェでの調理や接客、通販サイト「able! STORE」の運営、「able! TENGA」のシュリンクフィルム包装作業などがある。

 「able! TENGA」のパッケージのアートは、障がいのあるアーティスト山野将志(まさし)さんの作品。同プロジェクトでは、今後も障がいのある方のアート作品を生かした製品を製作することでアーティストをサポートしていく。「able! TENGA」は1つ購入されるごとに障がい者支援として100円を寄付し、寄付金はTENGAで集約して障がい者施設や学校などに寄付する。同施設で制作したPCなどの物品も同様に寄付する。

 一般客も利用できる「able! CAFE」では定期的にワークショップを開き、「コミュニケーションの場」として活用していくという。犬同伴の来店も可能で、屋外にはドッグパークも設ける。

 20年近く福祉施設運営に携わってきた施設長の木村利信さんは、B型事業所での仕事は「一般的に1つの施設で1種類の作業を担い、内職的な軽作業が多いため全国の平均工賃は1万6,000円ほど」と現状について話す。同施設では複数の作業を用意し、「障がいのある方が、自分の意思で仕事を選ぶことで仕事の継続性が高まり、技術の向上につながる。それによって平均よりも高い工賃とやりがいを得ることができる」とプロジェクトの意義を話す。

 松本さんは利用者の募集も呼びかけ、「able! FACTORYの利用を検討される方には、安心して働けるようにしっかりサポートしていく。互いに協力することで、これまでできなかったことを『できる』に変えていく。こうした助け合いが当たり前のようになって、皆さんと楽しくできたら」と、プロジェクトに懸ける思いを話す。

 川越から始める同プロジェクトについて、「オープンでフレンドリーな場所にしたいので、川越の皆さんには『able! 焼き』を食べたり、ドッグランに遊びに来たりしてほしい。今後地産地消も進め、サツマイモを生かしたメニューも考えていきたい」とも。

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