ウニクス川越(川越市新富町)にぎわい広場で11月29日、「第3回小江戸川越お芋フェスティバル」が開かれ、家族連れなど大勢の人が名物のサツマイモを楽しんだ。
当日は朝から秋晴れの一日となり、イベント開始時刻前から多くの人が会場を訪れた。来場者は出店している屋台を一つ一つ熱心に見て回り、その場で焼きたての焼き芋や温かい料理を楽しみ、生のサツマイモやサツマイモを使った焼き菓子などを買い求めた。中には午前中に用意した商品の多くが売り切れる屋台も。
飯能から出店した「芋はん」はこの日、栽培する10種類のうち8種類を販売。紅はるかやシルクスイートなどなじみのある品種のほか、色が白い「太白」「しろほろり」、「あいこまち」「ふくむらさき」といったあまり見慣れない品種も並んだ。それぞれの特徴やお勧めの調理法などを、同店の鈴木さんは立ち寄った来場者に丁寧に説明。「通常サツマイモは農薬を多く使うが、うちでは除草剤を使わず減農薬で栽培しているので皮ごと食べられる」と胸を張る。
トラックの荷台での芋掘り体験やさつま芋紙芝居など、子どもたちが実際に土に触れ、サツマイモについて学ぶ良い機会にもなった。
第2会場の「ユープレイス(U_PLACE)」(脇田本町)でも飲食の屋台や農作物販売のブースが出店し、来場者はにぎわい広場との2カ所でイベントを楽しんだ。
主催する「川越Farmer’s Market」イベント担当の石川さんは「コロナ禍で注意しながらの開催だったが、予想以上の方に来場いただいた。回を重ねるごとに認知され、サツマイモ好きが集まるイベントに成長した。特に今回はメインの焼き芋を多くの方に味わっていただき、イベントの趣旨がしっかり伝わったと感じた。出店者もイベントのテーマを意識し、サツマイモを使った特別なメニューの考案を楽しんでくれている。他の出店者のサツマイモメニューから刺激を受けて生かそうとするのも、このイベントならでは」と話す。
「川越のサツマイモは、今は他の産地と比べて生産量が少ないといわれているが、菓子や料理への加工、関連行事などで幅広い展開がある街というのは、日本全国を見ても川越だけ。川越にはサツマイモの『文化』が根付いていて、生産量で負けても昔から蓄積された歴史がある。川越のサツマイモ文化を知って楽しんでもらうために、今後もこのようなイベントを開催していく」と意気込みを見せる。