川越市内外の茶農家・菓子店・雑貨店などが出店する「小江戸川越 お茶と暮らしMarket(マーケット)」が3月10日、ウェスタ川越交流広場とウニクス川越にぎわい広場(川越市新宿町)で開催され、大勢の人でにぎわった。
川越で「小江戸川越お茶と暮らしマーケット」 野だてやワークショップ楽しむ
朝から青空が広がった日曜、会場の屋外広場に朝から多くの人が詰めかけた。和服姿の人、欧米やアジア圏からの観光客の姿も見られた。「邸宅カフェMaison de Route brillante(メゾン・ド・ルーテ ブリランテ)」のブースで「聞き茶」を体験したブライアンさんは米フロリダ州から観光で来日。初めて味わう抹茶の苦みに驚きながらも「マイルドで飲みやすく好みの味」「とても苦い」など感想を紙に書き、味わった3杯のうち同じ2杯がどれかを予想した。
野外特設会場での野だてや、入り口に設けた写真スポットでの「侍との記念撮影」も人気を集めた。筆ペンを使った書、こけ玉、オリジナルのペンやキーホルダー作り、チョークアートなど、各出店者がさまざまなワークショップを行い、子どもから大人まで大勢が参加し楽しんだ。
主催する「川越Farmer’s Market」イベント担当の石川さんは「約4000人の来場者は予想以上。川越は古くから茶文化が根付いている街で、近年はさまざまな種類の茶を提供する店が増えている。そんな『茶の街・川越』を多くの人に体感してもらえて良かった。『茶のある暮らし』の提案として雑貨やワークショップの出店も多く、こちらも好評だった」と振り返る。
飲食の出店者は、テーマに合わせてさまざまな種類の茶ドリンク、茶を使った和洋菓子、茶に合う食事メニューなどを提供・販売。会場に設けたスペースで飲食を楽しむ人の姿も見られた。初出店の「焼き栗ちきりや」で焼き上がりを待つ女性と小学生男児の母子、永倉さんは「このイベントを目当てに越谷から来た。事前に調べて、ここの焼き栗を絶対に買いたかった」と話す。焼き上がるまでの約15分、店の人と会話をしながら楽しそうに待ち、機械から蒸気が噴き出す様子を男児が携帯カメラで撮影し、出来たてを買い求めた。
おはぎ、おむすび弁当などを販売した初出店の「結家(むすびや)」は「多くの人に店のことを知ってもらえて良かった」、マカロンや練り切りなどを販売した「anflower_sweets(あんフラワー スイーツ)」は「これまで多くのイベントに出店したが、こんなにたくさんのお客さまは初めてで驚いた。客層も年齢層もさまざまで、会話をするのが楽しかった。店の場所を聞かれ、『きれい』『すてき』とうれしい言葉もたくさん頂いた」と話す。
石川さんは「茶とサツマイモは川越の歴史的農産物。収穫の秋には芋フェスが定着しているが、茶と暮らしのイベントの知名度も上がってきた。春と秋の川越の季節の風物詩として、これからもっと根付かせていく。3月といえばこのイベントと認識されるようにしたい。茶ドリンクを提供する店をもっと増やすことが今後の課題」と意欲を見せる。