川越のおむすび専門店「お結び しゅん」(川越市脇田本町)が11月10日、移転オープンした。
同店は、東京・大塚の人気店「おにぎり ぼんご」(東京都豊島区)の認可店。「ぼんご仕込み」の「炊きたてで大きくて具だくさん」にこだわっておむすびを提供する。川越の契約農家の米など、川越の食材も使う。
メニューは、具なしの塩(165円)から、おかか(220円)などの定番の具、明太クリームチーズ(300円)などの変わり種まで30種以上の具を用意。好みの具やトッピングを組み合わせることもでき、パターンは650種類以上。店内入り口に設置された券売機で、注文から支払いまでを非接触で行う。テイクアウトのほか、店内カウンターで食べることもできる。「冷めてもおいしいおむすび」にこだわり、米はコシヒカリとミルキークイーンをブレンドし、固めの兵庫県ののりを使う。
同店は2022年1月からユープレイスにある「スタンディングバーマツザキ」の一角を間借りし、テイクアウト販売を行ってき。女将(おかみ)の堀江真弓さんはスタンディングバーマツザキのオープニングスタッフ。「いつかはおむすび店を」と夢を抱きながら勤務していた。スタンディングバーマツザキを経営するマツザキ(中福)の社長、松崎裕大さんがその夢を後押しする形で、店の一角での営業から始まり、今回の移転オープンまで実現した。
堀江さんがおむすび店を始めたきっかけは、長男を亡くし、精神的につらかった時期までさかのぼる。悲しみで仕事も手につかなかった時に「ぼんご」でおむすびを食べ、「ほかほかで温かく、じんわりと心までほぐされ、生きる力が湧いてきた」という。それ以来「優しいおむすびの味」に心引かれ、次男の勧めと松崎さんの後押しで開業を決意。ぼんごで修業し、おむすび作りのノウハウを学んだ。店名は「人と人を結ぶ才能があった」という堀江さんの亡き長男の名前から命名した。
松崎さんは「いつかは専門店を出店する計画はあったが、おむすびは酒店とは全く違う畑で、握り手がいないと営業できないスタイルは経営的にリスクが高かった。それでも、ここまで後押ししてきたのは、堀江さんの思いや人間性を信頼してのこと」と話す。
堀江さんは「種類が豊富で組み合わせも自由。たくさん通っても毎回違う味を選ぶ楽しさもある。ぜひ週に2、3回通って、いろいろな味を楽しんでほしい」と呼びかける。
営業時間は10時~16時。火曜・水曜定休。