川越市内に5月10日、就労継続支援B型事業所「able! FACTORY(エイブルファクトリー)」(川越市かし野台2)がオープンする。運営はTENGA(東京都港区)。4月29日には、施設のお披露目として、シルクスクリーン印刷などの作業体験や、カフェでフードやドリンクを提供するハローパーティーが行われた。
川越に障がい者就労支援プロジェクト「able! project(エイブルプロジェクト)」施設 カフェも併設
会場では川合善明川越市長、川越市議会議員の海沼秀幸さん、松本光一TENGA社長のあいさつの後、施設の仕事の「シルクスクリーン印刷」「PCリペア」の一部体験ができるワークショップを開催。併設の「able! CAFE(エイブルカフェ)」でカフェメニューの試食も行い、犬用のメニューも用意した。障がい有無にかかわらず、子どもから大人まで幅広い世代が楽しんだ。
オープニングセレモニーで同施設の最後の仕上げとなる「できる!の喜び、みんなのものに。」のメッセージを、エントランスの壁にウォールペイントで完成させた。障がいのあるアーティストの山野将志さんは、エイブルファクトリーで作られるTENGA製品「able! TENGA」のパッケージデザインにアートを提供しており、この日は奈良から駆け付け、ウォールペイントに参加。エイブルカフェの壁には、山野さんの作品「ベールの朝」の複製原画を飾る。
川合市長は「川越市では、誰もが自分らしくいきいきと生きられる『共生社会』を目指し、さまざまな施策を行っている。エイブルファクトリーのように、障がい者の方が生き生きと仕事ができる場所を作ってもらえることは、障がい者の方にとっても、行政にとってもありがたい。川越市は市制施行100周年。コロナ禍の中でいろいろな事業やイベントが中止となり、なかなか元気が出ない2年間が続いていたが、今年はさまざまな事業を通じて元気を出していきたい」と話した。
海沼議員は「エイブルファクトリーは、障がい者向けの支援に役立つだけではなく、本当に夢のある施設だと実感している。エイブルカフェにはおいしそうなパンが並んでいたり、Tシャツの印刷が体験できたりと、障がい者の方だけではなく一般の方も楽しめる。地元議員として期待している」と話した。
松本社長は「たくさんの方が来場してくれて、ドッグパークをワンちゃんが走り回って、ワークショップに子どもたちがワクワクして、カフェのフードに笑顔があふれて、皆さんが目をキラキラさせて楽しんでいる姿に、心から感謝の気持ちがあふれて、心が震えるほど感動した。スタッフのお母さんが『あの子が私に気が付かないくらい、こんなに頑張って働いている姿を見たことがない』とすごく喜んでくれたと聞いた。誰かが喜んでくれることが私たちの喜び、エネルギーで、それこそが働く喜びだと実感した」と話す。
「手探りで進めてきたが、このハローパーティーを経て、大切な第一歩を踏み出せた。この一歩をさらに大きく育てていきたい。今後も地域の皆さんや遠方からいらっしゃる方々にも楽しんでもらえるよう、ワクワクするイベントや交流の場を設けて、さまざまな『できる!』の喜びを広げていけたら」とも。
カフェの営業時間は11時~19時。