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ウェスタ川越で薩摩琵琶演奏会 古来の伝統芸能に触れる

薩摩琵琶

薩摩琵琶

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 ウェスタ川越(小ホール)で4月15日、松山陣屋顕彰会が薩摩琵琶演奏会を開く。

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 薩摩琵琶は今から500年ほど昔、現在の鹿児島県南さつま市加世田の領主・島津日新斎忠良が、それまで伝わっていた盲僧(もうそう)琵琶を改良し、新しく歌詞も作り広められたという。

 当時戦乱の世で心身ともに疲弊していた人々を見た日新公は「世の中の平和はまず人々の教育が第一」と考え、神仏を敬う心、人としての生き方など人倫の道を説いた和歌「いろは歌」を作った。その歌を武士の子弟たちに教え込ませるため、そのエッセンスを薩摩琵琶の歌詞に乗せ人々に分かりやすく伝えた。その教えは瞬く間に薩摩の隅々にまで伝わり、特に江戸時代になって郷中教育(ごじゅうきょういく)という薩摩藩独自の青少年教育システムの主軸として重要視され、長年教え継がれた。その結果、西郷隆盛や大久保利通をはじめ明治維新で指導的な役割を果たす多くの人材を輩出。現在でも鹿児島の地における薩摩琵琶は、昔からの教えと先人の精神を受け継ぎ、薩摩の伝統を後世に継承していくことを目標に今日まで活動を続けている。

 今回の演奏会は、松山陣屋顕彰会の高島倫子さんが薩摩藩主末裔の島津義秀さんと交流があることから開催が実現。島津さんは加治木島津家13代当主で、薩摩琵琶演奏者。同会ではゲストとして演奏する。川越での開催について、高島倫子さんは「私にとって、川越は故郷のような場所。おしゃれで活気にあふれ、希望に満ちあふれている。川越市が市制100年を迎えるこのタイミングでイベントを開けることにも縁を感じる」と話す。

 「戦争もある世知辛い世の中ですが、世界中のみんなが平和でありますようにと祈りを込めて演奏する。日頃お疲れかもしれないが、薩摩琵琶を聴きながら殿様のような気分で春の調べを気持ちよく楽しんでいただけたら」とも。

 18時30分開場、19時開演。料金は、前売り=3,000円、当日=3,500円。

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