ウェスタ川越(川越市新宿町1)大ホールで3月27日、ノーベル物理学賞を受賞した東京大学宇宙線研究所長、梶田隆章さんの講演会が開催された。主催は川越市。
川越高校出身の梶田さん。会場には約700人が集まり、制服姿の高校生や大学生の姿も見られた。梶田さんは専門の物理学の話だけではなく、自身の高校時代や大学時代の話などを織り交ぜて話し、苦手だった古文や化学など学生時代の勉強や、高校・大学と夢中になった弓道部でのエピソードでは意外な一面も明かした。
30年以上にわたって進めてきたニュートリノ研究については、難しい理論を丁寧に分かりやすく説明。ノーベル賞を受賞するまでに行ってきた地道な準備研究や、新しい発見に結び付くまでの努力などが話された。梶田さんは「準備研究から携わることができ、今やっていることが物理学の発展につながると感じていた。良き師、仲間、プロジェクトに恵まれ、出会いの大切さを感じることができた」と語り掛けた。
来場者は自分の住む町から世界に羽ばたいた梶田さんの話に静かに聞き入っていた。