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川越で「和くわく市&河越お茶日和」 和文化と茶を和服姿で楽しむ人の姿も

小さな子どもから大人まで楽しんだ「和くわく市」の甲冑(かっちゅう)着用体験

小さな子どもから大人まで楽しんだ「和くわく市」の甲冑(かっちゅう)着用体験

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 「ウェスタ川越交流広場&ウニクス川越」(川越市新宿町)で6月12日、和をテーマにした「和くわく市」と茶をテーマにした「河越お茶日和」が同時に開かれ、大勢の人が買い物や和文化体験、ステージショーなどを楽しんだ。

和くわく市&河越お茶日和

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 梅雨の晴れ間の日曜、広場には60以上のテントや移動販売車が軒を連ね、和服や和を意識した個性的な衣装の出店者たちが来場者を出迎えた。和装や和小物を持参する人も多く、会場全体が「和」の雰囲気に包まれた。入り口付近にはさまざまなサイズの甲冑(かっちゅう)や兜(かぶと)、刀を用意し、大人から子どもまで武士に扮(ふん)してポーズを取り、写真撮影などを楽しんだ。刀匠が真鍮(しんちゅう)の記念プレートに名前や好きな文字を入れる「銘切り」実演も行い、多くの人が間近でその技を見学した。

 主催する「川越Farmer’s Market」イベント担当の石川さんは「川越には茶の歴史があることがあまり知られておらず、発信する必要性を感じていた。『和と茶』を組み合わせた他にはない形を今年初めて立ち上げ、販売だけではなくさまざまな体験やステージも用意した。着物で来場する方も多く、雰囲気を楽しんでもらえたのでは。今年の新茶も好評だった」と話す。

 今回出店した「帯バッグの小梅や」は、色鮮やかな袋帯をリメークしたシンプルな形のトートバッグを販売。バッグの売り上げの半分は製作者に、残り半分は子ども食堂や高齢者給食支援などのボランティアに使う。「芸妓(げいぎ)だった100歳の祖母の影響で着物が大好きになった」という店主のと~こさん。「コロナ禍で家に閉じこもるうちに何とかして地域貢献したいと考えるようになり、袋帯を使ったバッグの販売と地域ボランティアを思い立った」と笑顔を見せる。

 気温が上がった当日、川越産茶葉を使いその場でいれた緑茶や、緑茶ベースの冷たいドリンクにも人気が集まった。数種類の茶の飲み比べや川越の水でいれた冷茶、茶に合う和菓子や焼き菓子などを用意し、出店した茶農家やカフェが独自のスタイルで「川越の茶文化」をアピールした。

 蓮馨寺近くにある和菓子店「彩乃菓」は、注文を受けてから一杯ずつハンドドリップでテイクアウト用の狭山茶を提供。約80度の湯を外側から円を描くように注ぐと、茶葉が湯の中で大きく上下する。この状態でふたをしてタイマーをセットし、1分待ってからカップに注ぐ。小島淳一社長は「緑茶をハンドドリップでいれる店は全国でも数少なく、川越では初めて」と話す。緑茶用のハンドドリップ器具は既存のものがないため、耐熱ガラスメーカーの「ハリオ」に相談し、コーヒー用のものを組み合わせて使う。「現在ハンドドリップの緑茶はイベント用だが、近いうちに店に併設するカフェでも提供できるよう準備している」という。

 石川さんは「和と茶に特化したイベントはこれまでなかったため、出店者や和雑貨の制作者にとても喜ばれ歓迎された。茶を扱う事業者の中にはオープンして間もない店もあり、来場者に知ってもらういい機会になったと思う。春には『和と茶』、秋には『サツマイモ』と、旬の時期に合わせた収穫祭としてのイベントを川越に根付かせたい」と話す。

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