川越市市政100周年を記念して、「まことや」「伊勢屋」(以上、川越市連雀町)、「ハッピーブレッド」(松江町1)の3店舗が合同で「川越コッペ」のブランドを立ち上げた。川越コッペは、ハッピーブレッドのコッペパンを使って各店の特色ある素材を挟んだ商品のこと。
きっかけは、まことやが「大きなやきそばパン」(380円)を開発する時までさかのぼる。コロナ禍でテークアウトや食べ歩きに適した商品として、同店の太麺焼きそばをコッペパンに挟んだ焼きそばパンを売り出すため、太麺焼きそばに合うコッペパンをハッピーブレッドに依頼し開発してもらった。まことやの手島社長が「開発してもらったパンが素材を引き立ててとてもおいしかったので、他の具材を挟んでも良いのでは」と持ち掛け、ハッピーブレッドでもフルーツコッペを売り出すようになった。さらに、手島社長の紹介で伊勢屋にも広がっていった。
伊勢屋の一柳社長は「元々、川越の昭和の街で4月29日の昭和の日に開かれているコッペパンデーに参加していた。客にコッペパンを配り、自由に好きな店の好きな具材を挟むというイベントで盛況だった。コッペパンに可能性を感じていた」と話す。伊勢屋の川越コッペはあんことバターを挟んだ「あんバター」。コッペパンデーではホイップクリームにみたらしのタレをかけたコッペパンを出していたが、以前川越で有名だった深夜営業のパン店「岩田屋」(現在は閉店)の「あんバター」を思い出し「川越と言えばあんバター」と採用した。
川越コッペにはパッケージにオリジナルのロゴシールと店のシールを貼っている。ロゴは一柳社長が制作。コッペの字をニッコリ笑顔になるように工夫したという。今後は「古民家カフェ&バー スマイリー」(鴨田)ともコラボを計画。参加店は広く募集していき、いずれは川越コッペを取り扱う店が分かる「川越コッペマップ」を作っていきたいという。
手嶋社長は「喜んで食べてもらうのが一番。ぜひ良い広がりを見せ、店同士もつながっていければ」と話す。一柳社長も「このような時代、少しでもにっこりできるような企画になれば」と同企画へ期待を寄せる。ハッピーブレッド店長の幸田さんは「コッペパンを通して店も客もつながっていけるのは良いこと。まことやの焼きそばパンを知った人がハッピーブレッドに来店してくれることもあった。横の広がりや展開が期待できる」と話す。まことやとハッピーブレッドをつないだTKMの森さんも「川越にはおいしいもの、おいしい店がたくさんある。川越のさまざまなおいしいものをサンドして、人がつながっていけると面白いのでは」と期待を寄せる。
参加店は随時募集していく。