川越の角栄商店街(川越市霞ケ関北)で10月28日~30日の3日間、3コインで買い物ができるイベント「3coin3days」が開催された。今回が初開催。LINEのオープンチャット機能を利用し、商店街だけでなく来場客同士も交流できる新しい試みも取り入れた。
3コインは、1円玉3枚の3円から500円玉3枚の1,500円まで、各店が商品ごとにコインの種類を自由に設定できる。100円玉1枚と10円玉2枚で120円など、どんな組み合わせでもコインが3枚であれば価格設定が自由という同イベント。普段は2,500円の「あなご丼」(永楽鮨)を1,500円で提供するなど、各店が目玉商品を用意した。
イベントに参加した「大橋自然食」は、添加物無添加で昔ながらの製法で作られる自然食を専門に取り扱う店。店主の大橋真行さんは「薬に頼らず、口にする食べ物で健康を維持して100歳まで長生きしましょう、が店のモットー。イベントで訪れた若い人にも、健康のために食べ物に気をつける意識を持ってもらえたら」と呼び掛ける。
同じくイベントに参加した「嵯が野」は、川越の蔵づくりの絵柄などのオリジナルで一点物の着物を作るなど「他の店とは一味違う」(同店)商品を取り扱っている呉服店。同店の野田幸雄社長は「着物屋で3コインの商品をそろえるのはかなり大変だったが、商店街の活性化のため、お客さんに喜んでもらうためにお得な商品を用意してできる限り協力した」と話す。店先のショーウインドーもハロウィーンの飾り付けを行い、ハロウィーンの飾り襟を仕入れるなどの工夫も凝らしたという。「スーパーとは違った味がある商店街の店の良さをこの機会にぜひ、知ってほしい」とも。
今回のイベントについて、同商店街振興組合理事長の榎並和良さんは「十条銀座(東京都北区)で実施していたワンコイン市を参考にした。まちゼミで交流のあった北区まちゼミ代表で十条銀座の小松さんからいろいろと教えていただき、LINEのオープンチャットも取り入れてみた」と話す。オープンチャットを取り入れた理由について、「商店街の買い物をするときの一番の醍醐味(だいごみ)はコミュニケーション。会話の中で割引が成立したりすることもある。そういう面が逆に、若者にとっては足を踏み入れるのに勇気がいる要因にもなっている。若者にも商店街を身近に感じてもらい、雰囲気に触れてもらうためにオープンチャットを取り入れた」と話す。
今後も同様のイベントを4カ月ごとに開いていく予定。「他にも年に数回セールがある。買い物時に発行してもらえる商店街のポイントカード『ふれあいカード』でポイントをためていけば、今回のようなイベントやセール時にまとめて使うこともできる」と榎並さん。「川越の中心地から少しはずれ、昭和の雰囲気の感じられるノスタルジーあふれる商店街に散歩がてら買い物に来てほしい」と呼び掛ける。