川越氷川神社(埼玉県川越市宮下町)は現在、疫病鎮静を祈願して、正面鳥居下に風車を、拝殿横の風鈴は規模を大幅に縮小しながらも飾り付けている。
新型コロナウイルスの影響で祭事としての「縁むすび風鈴」は開催を見送ることになったが、疫病鎮静を願い飾られた風鈴が参拝者に夏の訪れを告げる。「縁むすび風鈴」では短冊に願いを書いて風鈴に下げるが、拝殿横に飾られた風鈴の短冊には「疫病鎮静」の文字が書かれている。同時に、「光る川」をはじめとする夜間の行事も見送られる。江戸風鈴は7月23日より、領布している。
「風車は目で、風鈴は音で、見えない風を感じることができる。例年はその風に乗せて思いを届けるという意味で祭事を執り行ってきたが、今年は『疫病鎮静』の祈りを届けたいと、形を変えて執り行うことにした。日本人は古来、目に見えないものとうまく向き合い、祈ることで乗り越えてきた。ウイルスも目には見えないが、我々は向き合い乗り越えることができる。日本人の中にある祈りの力を伝えていきたい」と、宮司の山田禎久さんはコロナ禍における神社の役割について話す。
「川越には先祖が祈りの力で災難を見事に乗り越えてきた証が残っている。我々も心をそろえ、必ずこの困難を乗り越えていける。これは川越の風土そのもの」とも。
疫病鎮静を願う季節の飾り付けについては、今月も継続が決まっている。