川越の揺光山最明寺(川越市小ケ谷)で3月12日と28日、「food pantry(フードパントリー)」が開かれる。
フードパントリーは食料品を備蓄する場所を意味し、事前に日時と場所を決めてひとり親家庭などの貧困を抱える家庭へ向けて、それらを無償配布する活動。同イベントは、行政と市民団体と寺院が連動して実現。全国初の試みとなる。
当日は、調味料、飲料、加工食品、お米など多種を配布予定。対象となる児童扶養手当支給家庭60組を先着順で受け付ける。食品を提供するのは、食品メーカーや流通 業者、個人などから廃棄される前の食品を引き取り寄付を受けているフードバンク団体「セカンドハーベスト・ ジャパン」(東京都台東区)。開催前日に同寺院に届く予定。
寺院が配布会場になった理由は、川越は全国有数の寺町。市内に数多く点在する寺院を葬送儀礼ができない友引やその前日に、地域のために活用したいとの思いから。
副住職の千田明寛さんは「兼ねて川越で貧困問題に取り組んでいた、『なくそう!子どもの貧困・川越シンポジウム実行委員会』からの依頼で実現。川越市の令和元年度提案型市民協働事業として連携しながら支援活動を続けてきた。かつては駆け込み寺や寺子屋として、人々の憩いの場として活用されていた寺院。仏教離れが進む現代に、地域の人々と新しい取り組みを始めることで、寺院の本来のあり方を見つめ直せれば」と話す。
当初は28日のみの開催予定だったが、コロナ対策で市内の学校が休校になったため12日の開催も決めた。
開催時間は両日共17時~20時。先着60組。