県内で初めて大雨特別警報が発令され、記録的な豪雨をもたらした台風19号。川越市内にも大きな爪痕を残した。
熊谷地方気象台15日4時発表では、川越市は現在も洪水警報が継続発令中。15日夜遅くまで河川の増水に警戒するよう呼び掛けている。
市内で特に浸水による被害が大きかったのは下小坂地区、寺尾地区など。下小坂地区では13日未明、越辺川の右岸堤防が決壊、広い範囲が水に浸かり、近くにある特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」が一時孤立。警察や消防、自衛隊がボートを使い救助活動を行った。施設には当時245人の施設利用者と職員がいたが、全員無事避難した。近くの障がい者支援施設「初雁の家」ほか、グループホーム「あかつき寮」「しらこばとの家」の利用者も、広谷小、名細公民館などの各避難所へ搬送された。14日には、孤立していたケアハウス「主の園」の利用者87人も、ボートで全員救助された。
各避難所への避難者数は、12日23時30分の時点でおよそ1700世帯4000人近くまで膨れ上がり、自主避難所も200世帯を超えた。
市内では15日11時30分に、大谷川、小畔川流域の名細地区の避難勧告を解除。広谷小学校、鯨井中学校、名細中学校の避難所は引き続き開設している(その他、市内自主避難所は全て閉鎖)。
市内各地の被害状況は、県消防防災課の10月15日のまとめで、市内の浸水が床上浸水200棟、床下浸水300棟。各地で道路冠水や通行止めも相次いだ。倒木による車破損、道がふさがれるなどの事態があり、国道などの一部道路でマンホールふた枠、周辺舗装の破損が見られた。
越辺川流域、寺尾地区の詳しい被害状況については、調査中とのこと。