川越の揺光山最明寺(川越市小ヶ谷)で6月2日、「フレンチ精進料理の会」が開かれた。
「寺を通じて地域社会の活性化に貢献したい」という思いから企画された同イベント。当日は、副住職の千田明寛さんが坐禅(ざぜん)を指導。フレンチシェフの折橋大貴さんが地元の食材を使った精進料理とフランス料理と掛け合わせた「フレンチ精進料理」を振る舞った。
折橋さんは箱根にある常泉寺の副住職を務める傍ら、オーベルジュ「グリーンヒルズ草庵」のフレンチシェフを務めている。
精進料理は、健康志向の女性やベジタリアン、ビーガンの人でも食べられる食事ということで近年注目を集めているという。
料理には、川越の障害者支援施設「まごころファーム川越」のシイタケ、「さいたまヨーロッパ野菜」の西洋野菜、「利根川農園」のトマトを使用。デザートのブラマンジェには川越の仙波豆腐を使用。
当日は25人が参加。「肉を使わないでこんなにおいしい料理が作れるなんて」などの声が聞かれた。
千田さんは「現代の寺院はや葬儀や通夜などが、中心的な役割だと思われがち。しかし、かつての寺院は寺子屋として塾を開き、駆け込み寺という悩みを抱えていた人々の憩いの場として機能していた。古くから続く仏教ないし寺院の役割は、生きている人々のために何ができるのかを考えイベントを企画した。時を経て、現代で寺を通じて何ができるのか。異業種の人々と手を取り合い、寺の新しい可能性を今後も追及していきたい」と話す。
同様のイベントを10月にも予定している。