川越市の小江戸蔵里(川越市新富町1)で11月27日~29日、「クラフトフェア三富 第9回 さんとめの木をいかす展」が開かれた。主催は三富地域農業振興協議会。
三富地域の間伐材を使った家具、食器、アクセサリー、おもちゃなどの販売をはじめ、木のカトラリー、おもちゃ作りのワークショップ、オーダー家具・家づくり無料相談会、クイズラリー、まき割り体験などが行われた。
三富とは埼玉県西部、川越市、所沢市、狭山市、ふじみ野市、三芳町にまたがる畑作地域を表す言葉。三富地域では屋敷林、農地、平地林の3つを持ち、平地林で集めた落ち葉をたい肥として農業に使い、サツマイモをはじめとしたさまざまな野菜の生産を行ってきた。この平地林はまき材として定期的に伐採されることにより適切に管理されてきたが、石油が普及したことによりまきの需要がなくなり、管理の行き届かない平地林が増えている。
平地林の伐採費用は高額で地主の負担になるため、現在では管理されずに放置されている場所が多い。適切な管理がされていないと平地林の木が巨木化し、天災で倒木するなど安全の面でも深刻な問題が起こる。
間伐材は通常細かく砕いて木片チップに加工されたり、シイタケのホダギやまきストーブの燃料に使われたりする。さんとめの木をいかす会に所属する職人たちはこの三富地域の平地林の間伐材を使い、家具や生活用品、おもちゃに加工をし、2008年に展示販売会を行った。その後数回の開催を経て、2010年から毎年12月に小江戸蔵里で「さんとめの木をいかす展」としての開催が始まった。
埼玉県川越農林振興センターの小林猛也さんは「三富の平地林の木を使って家具や生活用品を作ることに最初は周囲も消極的なムードがあった。しかし、地元の職人の方々や企業に支えられ、こうして企画展を毎年開催できるようになった。今後もさまざまな取り組みを行っていければ」と語る。