川越氷川神社(川越市宮下町2)に現在、藤色の風車(かざぐるま)がお目見えしている。7月1日からは夏の風物として人気の「縁むすび風鈴」に切り替える前の約1カ月間しか見ることのできない風景。SNS映えする風景として、スマートフォン片手に撮影目的に訪れる観光客が多く訪れている。
今や同神社の年中行事のように注目を浴びる風車や「縁むすび風鈴」には、目を楽しませるだけではなく込められた意味がある。宮司の山田禎久さんは風車と「縁むすび風鈴」への特別な思いを話す。「昔の人は風に自分の思いをのせたり、会えない相手の様子を『風の便り』として感じていたりした。しかし現代はスマートフォンなど簡単に言葉を伝えることができる反面、トラブルや事件が起きる。目には見えない自然の『風力』で回転する風車をゆったりとした気持ちで眺め、相手を思う、すてきな時間を過ごしていただければ」と話す。
境内を吹き抜ける爽やかな風に思いを込めて、一斉に回る藤色の「かざぐるま」の様子は観光客だけでなく地元住民も散歩の途中で立ち寄り見つめる。
6月下旬まで。