今年もサツマイモ収穫シーズンの9月~11月上旬の間、市内の観光農園で芋掘りを体験することができる「芋掘り観光」が行われている。
「九里四里(栗より)うまい十三里」といわれる川越の名物、サツマイモ。江戸時代、日本橋から川越札の辻までが十三里(約52キロ)あったため、それにひっかけてサツマイモが「十三里」と呼ばれるようになったという説がある。
川越でサツマイモの栽培が始まったのは江戸時代中期。8代将軍徳川吉宗の命を受けた青木昆陽が、飢饉対策としてサツマイモ栽培を推進。それをきっかけに江戸で焼き芋がはやり、川越藩と隣接する村々(現在の川越市、所沢市、狭山市、ふじみ野市、新座市、三芳町周辺)でも栽培が盛んになった。そこで収穫されたものを川越城主が10代将軍徳川家冶に献上した折り、その質の良さをたたえ「川越いも」と名付けられ、サツマイモの最高級品として江戸の人々の間に広まったという。
現在、有志で設立された「川越いも研究会」には市内13軒のサツマイモ農家が参加し、「川越いも」の栽培安定やPR活動に励んでいる。
川越市内で栽培される主な品種は「紅あずま」「クイックスウィート」「紅まさり」「高系14号」「紅赤」など。現在特に多く栽培されているのが果肉が黄色くホクホクした食感の「紅あずま」。芋掘りでも主に同種を収穫する。
「芋掘り観光」実施農園は武藤園(川越市中台元町2)、坂本農園(中台2)、山田園(中台南1)、荒幡農園(南大塚6)、あらはた園(南大塚6)。市民には幼稚園、保育園、小学校などでの団体利用が定着しているが、家族や友人など、個人でも申し込みができる。サツマイモが無くなり次第終了してしまうため、最盛期の10月中旬までが「お勧め」だという。体験料金は5~7株でおよそ1,000円前後(要問合せ)。鍋やせいろなど、堀った芋をその場で調理できるセットを貸し出す農園もある。
各農園では芋掘りの他、産地直送の宅配や直売も行う。
芋掘りは、電話やインターネットで予約を受け付けている。