川越市の最明寺(川越市小ケ谷)で4月2日~10日、世界自閉症啓発デー記念イベント「さをり織りと花in最明寺」が開催された。
毎年4月2日は国連が定める世界自閉症啓発デーで、この日から4月8日までを「発達障害啓発週間」と位置付け、自閉症をはじめとする発達障がいへの理解促進のために集中啓発を行っている。「癒やし」「希望」などを表すブルーを自閉症のシンボルカラーとし、ライトアップや青いものを身に着けるイベントが全国で行われる。
同展では、織り工房「英」の溝井英貴さんとフラワーアレンジメントの中尾景子さんがコラボし、最明寺の本堂で色鮮やかな作品を展示した。溝井さんは2歳で自閉症と診断された。高校進学後、さをり織りに取り組み、卒業後、織り工房「英」を開設。制作活動に励んできた。「さをり」とは自分の感じるままに、好き好きに織る手織りのことをいい、元々は織った糸が1本抜けていたものを傷物と見ず、織り手の個性とする発想の転換から始まったという。
本堂に飾られた、さをり織りの豊かな色彩と、青を基調とした花とのコラボレーション。訪れた人は「お寺と花と織物の素敵な空間。ずっと見ていられる」と話す。境内では溝井さんの製作風景の上映や、さをり織りの生地で作られた雑貨の販売も行った。溝井さんの父、敏幸さんは「今後も企画展をやりたい」「作品を撮影し、写真集も作りたい」と話す。
溝井さんの工房は、古民家恵比壽屋内(川越市石原町)にあり、店内では織り体験(要予約)や手織りの雑貨類を販売している。