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川越の老舗料亭「料亭山屋」が新サービス「緑のリモートオフィス」

「緑のリモートオフィス」利用の様子

「緑のリモートオフィス」利用の様子

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 川越の老舗料亭「料亭山屋」(川越市幸町)が、レンタルオフィスとして個室を提供する新サービス「緑のリモートオフィス」を始めて3カ月が経過した。

料亭山屋

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 緑に囲まれた日本庭園に面した部屋でリモートワークができる同サービス。昼食には料亭の弁当も味わえる。全部屋Wi-Fiが利用可能。すぐ近くに観光地があるため、休憩中や終了後に観光に出掛けることもできる。

 伝統的な日本家屋で電波を通さない土壁のため、ルーターの設置には頭を悩ませたが、各部屋に大きな窓があり、ガラスは電波を通すことから、庭園の窓の近くにルーターを設置することを思いついたという。社長の松山潤さんは「このようなアイデアが、日本家屋を残していくために別のサービスを模索している同業の方にも参考になれば」と話す。サービスの詳細は同店のフェイスブックなどで公開している。

 同サービスの提供開始後、リモートワークだけではなくコスプレイヤーの集まりや撮影場所としても利用された。最近では、日本テレビの「美食探偵~明智五郎~」や、TBSの「MIU機動捜査隊404」などのドラマの撮影場所に利用されたため、撮影場所を巡る「聖地巡礼」に訪れる人も多いという。松山さんは「観光地である川越はあらゆる世代や客層を受け入れる受け皿であるべき」と話す。

 コロナ禍で観光客が減少している川越で、さまざまなサービスを模索し続けいているという松山さん。同サービスの他にも、結納や顔合わせなどの利用を想定し、食事は持ち帰り可能の弁当を提供する「新しい形のお顔合わせ」サービスや、組織の総会を山屋の個室を貸し切り、密を避けてリモートで行う「新しい形の総会」サービスなど、ユニークなサービスを提供し続けている。他にも美術品の展示会などの実績もあるという。「苦しい状況だが、ブランドイメージを守りつつ革新的な取り組みをしていきたい」と松山さん。「元々料亭は京都の祇園が発祥といわれていて、『箱』(空間)を貸す業態だった。伝統的な空間を守り、生かすためにも、うまく『箱』を貸すサービスを続けていくのが私たちの使命」とも。

 利用時間は10時~16時のうちの最大6時間。平日のみ。弁当付き。テーブル、椅子、お茶の用意がある。料金は1人5,000円。

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