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川越で障害者の作品をリアートした着物をレンタル 個人レンタル店応援で

障害者アート作品で作った着物

障害者アート作品で作った着物

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 一般社団法人「リアート」が3月1日、レンタル着物店「きものや沙羅」(川越市連雀町9)と「川越着物レンタルゆずや」(仲町1)の2店舗で「着物レンタルリレー」を始める。

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 同法人は、障害者アートに市民やクリエーターの手を加えることでリアート(再構築するアートを意味する造語)し、作品を用いた新商品開発やイベント催行を通じて、障害の有無などの枠組みにとらわれず、多様な個性を尊重する社会の実現を目指すプロジェクトに取り組む。

 企画を後押ししたのは、精神の障害を患いながら「いもの子作業所」(笠幡後口)に通所し数々の作品を生み出した野沢めぐみさんの作品をリアートした着物。同団体代表理事のヴェソラウスキー阿里耶さんが野沢さんの作品を見て、「作品で着物や帯を作ればかわいい」と思い、初めて完成したリアート着物。ヴェソラウスキーさんも同法人の数々のイベントで、代表的なリアート作品として自らが着用して披露していた。

 近年、川越のレンタル着物店は増加の一途をたどり、全国展開する大手レンタル着物店も参入する一方、売り上げを落として閉店する個人店があることも、今回の企画が生まれた背景にある。「着物の似合う街、川越」を地域で連携しながらブランディングし、着物文化を育ててきた個人店にも注目してもらうきかっけになれば、という思いから企画したという。

 「きものや沙羅」のコンセプトは「昭和モダン」。1933(昭和8)年の建物が多く残る昭和の街の特性を生かし、昭和初期のアンティークな帯や小物をリアート着物に合わせ、昭和の時代のハイカラなイメージと現代らしさを融合させたコーディネートを提案。はやりのレースのラップスカートが「今っぽさと昭和感の両方を醸し出す」という。

 「川越着物レンタルゆずや」のコンセプトは「大正浪漫」。同店が「大正ロマン夢通り」にあることから、大正時代のレトロな雰囲気と現代のモダンさを融合させた「大正浪漫」をコンセプトにしたコーディネートを提案。誰もが気軽に楽しめる着物体験、着物にフリル、レース手袋やアンティーク調の帽子を加え、川越の街並みに映えるレトロモダンな装いを提案する。

 ヴェソラウスキーさんは「この取り組みが、地元の着物文化を育ててきた個人レンタル店を応援することにつながり、障害者アート作品の素晴らしさや老舗呉服店の仕事のすごさを知ってもらうきっかけになれば」と期待する。

 レンタル実施期間は、3月1日~31日=きものや沙羅、4月1日~30日=川越着物レンタルゆずや。期間中1店につき2着レンタル可能。レンタル料は両店共に着付け代込みで1着6,600円。1回レンタルされると、作家に600円、同団体に400円が入る仕組み。

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