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まちづくり特集 第1回「住民たちが参加し見守るリノベーション」

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 地元・川越のまちづくりに日々地道に取り組むキーパーソンを取材する「川越まちづくり特集」。1回目は、地域住民参加型で「空き店舗リノベーション事業」を行う「株式会社80%」。現在改装中で、進捗状況はSNSで公開している。

 昭和20年代に建てられた築70年の建物を再生するリノベーションが、川越市連雀町の空き店舗で行われている。リノベーションを手掛けるのは株式会社80%。建築士の荒木牧人さん、本業では不動産を扱う松ヶ角尚人さん、飲食業者の鈴木豪さんの川越の街を愛する仲間3人で立ち上げた。自分たちだけではなく、住民参加型の新しい再生プロジェクトとして今回の事業を実践している。
 現在手掛けるリノベーション第1号物件は、昭和20年代に建てられた建物。大通りに面した建物は、洋品店や青果店、バイク店と移り変わってきた。最後の店が閉店して以来建物の老朽化が進行し、借り手がつかず長い間空き家のままだった。そこを川越で暮らす住民が集まる建物へと再生するのが今回の試み。
 地域住民の協力もある。川越市が2016年にエリアリノベーションをテーマに「まちづくりプロジェクト」を立ち上げ「まちづくりキャンプ」を開催。そこで「まちづくり」に興味を持つ参加者たちが集まって、解体工事も行った。フェイスブックやツイッターなど、日々の作業の様子や活動を知った住民が気軽に参加できる。「自分たちの住む街を、自分たちで作っていく」まちづくりの基本概念を、少しずつ形にしている。

 株式会社80%の荒木牧人さんは「私たちが現在工事中の物件は、毎日子どもたちの通学路や散歩、住民が買い物なので通りかかる生活道路にある。空き家状態から解体作業へと工事に興味を持ち、声を掛けてくれる機会も増えてきた。毎日少しずつ進んでいくリノベーション工事を、楽しく見守ってもらえれば」と話す。
 築70年の建物に使われた立派な梁(はり)や柱などの木材のうち、まだ活躍できるものは再生させるという。建物の補強や断熱なども行い、リノベーションが完成するのは今年6月を予定。観光客が行き交う大通りから少し離れた場所で、買い物や家へと向かう住民が工事の様子を見つめながら通り過ぎていく。
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